「非コミュ」から脱出する10の方法 - IT業界を生き抜く秘密10箇条 - ZDNet Japan

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#1 初めて会う相手だと緊張して、何を話したらいいかわからない
 コミュニケーションは「観察」からはじまる。(中略)つまり、相手に興味を抱くことによって、結果としてコミュニケーションが発生するといえる。(中略)相手がどのような人物であるのかを探求することに徹すれば、話は尽きないはずだ。


#2 友人とは楽しく話せるのに、ビジネスだとうまく会話できない
 自分がいじめられた、不当に恵まれなかったと感じると、この能力は損なわれやすい。つまり、逆に考えれば、評価に対する恐怖心や不信感を克服することさえできれば、友人と会話するときのように自然で魅力的なコミュニケーションを発揮できるということでもある。そして、そのきっかけとなるためには、ほんの少しの成功体験があればいい。


#3 質問されたことに対して、すぐに答えられず、話してもうまく伝えられない
 準備不足である場合は、必要な情報とそれに関連するファクトを紐付けて整理し、答えの引き出しを増やすべきだ。事例や引用は、コミュニケーションにとって強力な助っ人になることを覚えておこう。

 一方、発言することに対して臆病になっている場合は、まず、その反応の背景にある警戒心や恐怖心を払拭することだ。そのためには、トレーニングが必要となる。レスポンスの速さは、根底に経験則が働く。先に述べた「答えの引き出し」の整理をつけながら、その検索速度を早めるシミュレーションを日々行うことだ。


#4 性格が合わないと、自分から壁を作ってしまう
 人は、不当に何かを奪われたという自己認識を持つと、強い自己不安を抱えるものだ。そして、自分を守るための防壁を築き始める。(中略)壁が作れるのであれば、出入口も作れるはずだ。壁を壊せといっているのではない。壁の外に出ろというのだ。自分を甘やかしてはいけない。


#5 話が伝わらないとイライラして相手を攻め、自分の殻に閉じこもってしまう
 必要なのは「尊重」だ。相手のベースやスタイル、状況や考え方を斟酌して尊重し、性急に物事を進めようとしないことだ。


#6 友人の数は多いが、腹を割って話のできる仲間は少ない
 ホンネをさらけ出せる関係を築くには、時間と実績が必要だ。それができるのは、学生時代をいっしょに過ごした仲間ぐらいだろう。(中略)つまり、「腹を割る」ということは、仏像の腹に収まっているお経を、その価値を理解する相手と共有することであり、転じて「価値観を共有できる」ことなのだ。意外に思うかもしれないが、この意味でいえば、目標を共有する職場の上司や同僚も実は「腹を割った」仲間だといえるのだ。


#7 強気で人に接したり、駆け引きすることが苦手
 男女の関係でも「優しくしてもらいたければ優しくしろ」が原則。つまり、譲歩は譲歩を引き出す材料になるということ。この「返報性の法則」は、事実、多くの実験で効果が認められている。

 また、人は矛盾した行動をとりたくないという気持ちをもっている。ほとんどの人が、自分の言葉、信念、態度、行為を一貫したものにしたいという欲求があるのだ。これが「一貫性保持の法則」。これに従えば、段階的にコミットメントを得ていくことで、相手を納得させながら目標を達成することができる。ポイントは、しっかりコミットしてもらうこと。さらに、他の人にも公にコミットしてもらうことで効果は上がる。


#8 上司に言いたいことを簡潔に伝えられず、逆に用件について質問されてしまう
 この場合、俗に言う「ほう・れん・そう」(報告・連絡・相談)のスキルが貧弱だということがいえる。報告はプレゼンテーション、連絡は日常のコンタクト、相談はネゴシエーションである。(中略)そして、上司への報告では、相手が欲しい情報は何かを知っておき、関心を持ちそうなことから報告することが望ましい。報告とは自分を売り込むセールスの場であり、すべてが途中経過であり、次に続くものであることを忘れてはならない。また、連絡は、であるほど信頼される。しかもそれは、手短に素早く行わなくてはならない。そして、上司は、相談されたいものである。だがそれは、「早めに、短く、タイミングよく」が原則となる。


#9 話の論点がずれてしまい、話がかみ合わなくなることがよくある
 論点がずれたり、相手と話がかみ合わないときは、自分を正当化することに汲々としている場合が多い。つまり、「自己愛的意識」が自己を正当化するよう根底に働きかけているということだ。(中略)こういった状態を避けるには、これまで「走りながら考えていた」のを「歩きながら考える」ことに変えるか、「少し立ち止まって考える」ことを勧めたい。そして、自分の都合だけでなく、相手の立場を考えること。自分の価値観や概念を絶対視するのではなく、違う意見にもよく耳をかたむけることだ。


#10 相手の思いを汲みとることができない(と、よく指摘される)
 心理学に「3V理論」というものがある。これは話し手が聞き手に印象を与える要素を測定したもので、これによると、「VISUAL」=見た目、しぐさ、表情が55%、「VOICE」=声の質やトーン、大きさ、話し方が38%、「VERBAL」=話の内容が7%という結果が出ている。つまり、人は、話の内容よりも目に見える情報や声から感じとる情報によって、相手を理解するということだ。話の内容だけ把握しても、相手の心を読み取ったことにはならない。五感を働かせて話を聞くことではじめて、自分も的確な回答を返すことができる。

 そのためには、まず、人の話を最後まで聞くことが大前提となる。話の途中で自分の話をはじめたり、答えを決めつけたりしてはならない。話をよくよく聞いて、相手の考えや本音を引き出すことがコミュニケーションのスタートとなる。そして、話す相手に身体を向け、顔をしっかり見て、その表情やしぐさをじっくり観察しよう。

相手の観察、相手への尊重、引き出しの多さ、そしてホウレンソウ