資源分配の第3の選択 - レジデント初期研修用資料(旧)

http://medt00lz.s59.xrea.com/blog/archives/2006/10/3-2.html

グラミン銀行は、「相互選抜」というルールを導入して、両者を見分けようとした。


お金の借りるには、まず責任を連帯するグループを組む必要がある
連帯グループは、3人から10人くらいの借り手でグループを結成し、支払いを連帯保証することを条件にお金を借りる
借り逃げをたくらむような危険な相手とは誰も組まないので、安全な借り手が銀行にくる可能性は高まる
銀行側の安全を確保するルールはもう一つ。それは、「繰り返し」。


グループができたら、最初に7日間のコースで銀行のルールを覚えてもらい、まずはグループのうち2人に12〜15ドル程度を貸し出す
はじめの融資が6週間以内にきちんと返済されてから、次の二人に融資する
グループの代表は、最後にお金を借りられる。
不誠実な連中が口裏を合わせてグループを作っても、銀行に何度も来ないと、グループは満額を受け取れない。これは「繰り返し囚人のジレンマ」ルールそのものだから、裏切りは双方に不利益になる。


相互選抜と、繰り返しルール。ネットワーク科学とゲーム理論のいいとこ取りをしたようなこの制度はうまくいった。グラミン銀行の融資返済率は90%にも達し、年利も20%と、この地域にしては画期的に低く抑えることが可能となった。

マイクロクレジットすげぇな